牛タン

「牛タン」という言葉は、漢音の「ぎゅう」に、英語で舌を意味する単語”tongue”に由来する「たん」からなる、漢語と外来語から構成される合成語で、牛の舌の部分が食用に供される場合に使われます。人類による牛タンの摂取は旧石器時代にまで遡り、舌や内臓、脳、足、骨髄といった脂肪に富む部位を好んで食していたようです。舌の先端部と根部ではその肉質は異なります。焼肉屋で供される牛タンは希少部位のひとつです。人気のあるリブロースやサーロインといった部位は、牛1頭から10kgくらい取れますが、牛タンは1頭から1kgちょっとしか取れません。値段が高めなのは、量がそれほど取れないからです。日本では牛解体時に生じる正肉以外のモツ(内臓)を食べる習慣の広がりと相まって、牛タンを食べるようになりました。

そもそも牛タンは量が取れないこともあり、あまり食べられる部位ではありませんでした。しかし、牛タンで有名な仙台のお店で、他店との差別化を図るために牛タンをメニューとして販売したところ、人気を集めたとされています。仙台で人気となった牛タンは、徐々にその知名度を広げていき、今では日本全国で定番のメニューとなりました。味が美味しいだけでなく、栄養分も人気の理由です。牛タンには豊富なビタミンB2が含まれていて、他にもビタミンB1やビタミンB12などのビタミンBが豊富です。カロリーは決して低くなく、いわゆる高カロリーな食材のひとつですが、栄養分が豊富なことから健康的な食材としても扱われています。さっぱりとした味わいとヘルシーであることから非常に人気の部位となり、国産牛だけでは需要をまかないきれなくなったので今では北米など一部の国では、多くの牛タンを日本へ輸出しています。

牛タンのカロリーは決して低くありませんが、他の部位よりはカロリーは低く、さらに栄養素が豊富なため、ダイエットや美容にも良いとされています。タンパク質をはじめ、ビタミン類が豊富ですからダイエット中の栄養補給にも適していますし、バランスよく他の食材とあわせて摂取することで美容効果も期待できます。美味しく食べられて身体にも良いとなれば万能な食材と言えそうです。牛タンは希少部位ではあるものの、日本人に馴染みの深い食材のひとつです。部位も3つに分かれていて、部位ごとに違った食べ方もできます。牛タンには柔らかい「タン元」、中間にある「ミドル」、「タン先」があり、焼いて食べるのは「タン元」と「ミドル」の部分を厳選して使用するので実際に使用できる部分は少なく、その分、値段が高くなってしまうのです。「タン先」は他の部位と比べて固いので焼肉は向いておらず、タンシチューなど煮込むことで柔らかくして食べます。

今や日本全国からたくさんの人が訪れる牛タンの街・仙台で牛タンが誕生したのは太平洋戦争が終結し、日本が復興に向けて歩み始めた昭和23年のことだそうです。仙台牛タンの生みの親「太助」の初代店主である佐野啓四郎が洋食料理のなかで使われていた素材「牛タン」の旨さの虜になり、試行錯誤を重ねた結果、「牛タン焼き」が誕生しました。牛タン職人の腕の見せどころは分厚くスライスした牛タンを数日かけて「仕込む」熟成作業にあるそうです。この仕込み技術を習得し、職人として一人前になるには10年以上の修行が必要と言われています。この手間ひまかけることが仙台牛タンの美味しさを支えているのですね。直営店の5月限定のテイクアウト弁当は「牛タン弁当(1,600円)」です。味が美味しいだけでなく、栄養分も高い牛タンを使ったテイクアウト弁当ですので、是非、ご利用ください!5月連休中の直営店は5/3(月)~5(水)は営業、5/6(木)が定休日となります。

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5月限定テイクアウト「牛タン弁当」
牛タンは「きたかみ牛」ではありません。U.S.Aからの輸入牛の部位を使用しています。
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