田起こし

長かった冬も終わり、半端なく降リ続き積もった雪も溶け、圃場に土が見えるほどになりました。ようやく、米作りに向けて作業開始です。動画は耕起しているところを撮ったものです。

耕起の意味は、畑に種をまいたり、田に苗を植えたりする前の、一番最初に行う作業になります。トラクターを用いて作土を掘り起こし、土壌を反転させその後代掻き作業を行い、田植えをします。明治初期までは、一年中水を湛えた「湿田」がほとんどでした。現在、私達が目にする田んぼは、秋の稲刈りの後は水を抜いているので水がありません。乾いた状態で耕起作業をすることで、土の中に空気が入って乾燥しやすくなり、微生物による有機態窒素の分解が促進され、植物が吸収しやすい無機態窒素に変化します(これを「乾土効果」といいます)。また、土を起こして乾かすと、土が空気をたくさん含むので、苗を植えたときに根の成長が促進されます。

深く耕すほど高収量が得られるという意味で「七回耕起は、肥いらず」「耕土一寸、玄米一石」などと言われてきましたが、現在では不耕起栽培や無代掻き栽培など、いろいろな栽培技術が確立されています。