成人の日

成人の日は、1月の第2月曜日です。主旨は「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」ということです。奈良時代以降に行われていた、成人になるための通過儀礼「元服」という儀式がもとと言われています。この元服が、小正月、つまり115日に行われており、成人式ももともとは115日に行われていました。その後、2000年からは国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律の改正があり、いわゆるハッピーマンデー制度により、1月の第2月曜日となりました。

成人の日には、各地で成人式が行われます。成人式の対象となる成人は、前年の42日からその年の41日に成人するひとです。また、雪国などでは、出かけやすいお盆の時期や、大学生が春休みの時期に成人式が行われることもあります。成人式に、振り袖はかかせないものとなっています。着物は女性の礼装であり、成人式は冠婚葬祭のひとつです。つまり成人式は「格式の高い場」であるため、女性は礼装となる振り袖を着るのです。また、振り袖には、厄除けの効果もあります。長い袖をふる仕草が「魔を祓う」ということにつながると思われていたからです。

海外ではどうでしょうか。韓国では19歳で成人となります。韓国の「成年の日」は、5月の第3月曜日です。しかし、現在は日本のように祝日ではなく、式典なども行われていないようです。イギリスも成人の日に関する大きなイベントはありません。成人と認められるようになる18歳の誕生日と、昔成人年齢とされていた21歳の誕生日には盛大に祝われるそうです。アメリカもイベントはなく、成人となる18歳の誕生日は盛大に祝われるそうです。海外では18歳が主流で成人式のようなイベントは行われていないようです。

日本で成人年齢が20歳と定められたのは明治時代のことですが、それ以前から日本では「元服」と呼ばれる成人の儀式が行われていました。男性の年齢は地域や時代によっても異なりますが、12歳頃から16歳までの間に行われていた、「大人になる」「男になる」儀式と言われていました。女性も男性同様に12歳頃から16歳までの間に行われていたものですが、基本的に結婚前に行うものとされていたため、政略結婚があった昔は、結婚と同時に元服の儀式が行われる場合がありました。昔は子供に早くから大人としての働きを求めていたと言えます。特に戦国時代は、元服の儀式は一人前の武将と認められた証で、元服を終えたことにより、何千もの軍を率いて初陣を迎えた武将はたくさんいます。伊達政宗は15歳で初陣、18歳で家督を継ぎ、23歳で南東北を制覇したと言われています。歴史上、元服は成人となる神聖な儀式とされていました。同時に大人としての責任を背負うことでもあります。現代の成人式には、元服儀式や歴史の深さは残っていませんが、責任のとれる大人として成人の儀式の歴史的な重みを理解して成人の日を迎えてほしいと思います。