長月

和風月名の「長月」は、9月下旬から11月上旬頃にあたります。秋分を過ぎて日が短くなり、夜がだんだんと長くなっていく様子を表し、「夜長月」と呼ばれていたものが短くなり「長月」に転じたというのが有力な由来です。

長月には別名や異称で表される様々な呼び名があります。陰暦では、7月から9月が「秋」になります。このため、9月である「長月」が、秋の最後の月になるため「晩秋」とも呼ばれます。同じく秋の終わりをさす異名としては「季秋」があります。また、現在の秋雨にあたる、長い雨が降るということあら「長雨月(ながめつき)」とも呼ばれました。99日の菊の節句を含み、菊の花が咲く月であることから「菊月」または「菊咲月(きくさづき)」「菊開月(きくさきづき)」とも呼ばれていたようです。夜がながくなるため、目が覚めることが多くなる月である、という意味合いで「寝覚月(ねざめづき)」とも呼ばれました。

「寒露」とは、晩夏から初秋にかけて野草に宿る冷たい露のことで108日頃(今年は108日)及び霜降までの期間を指します。秋分から数えて15日目頃ですね。秋の長雨が終わり、本格的な秋の始まりになります。この頃になると五穀の収穫もたけなわで、農家では繁忙を極めます。露が冷たい空気と接し、霜に変わる直前で、紅葉が濃くなり、燕などの夏鳥と雁などの冬鳥が交代される時期でもあります。この頃は、大気の状態が安定して空気が澄んだ秋晴れの日が多くなります。夜には月も美しく輝いて見えます。

長月の由来からは、昼が短くなり夜が長くなるのを感じる頃で、深まる秋に備えて、冬物の衣類などの準備を始める目安になることがうかがえます。また、別名や異称からは菊の季節であることもわかりますね。陰暦を理解することで秋をより趣深く迎えることができるのではないでしょうか。寒露の頃になったら、空を見上げてみてはいかがでしょう。これまでと違った、秋の清々しさと趣を感じる空に出会えるはずです。