飲み水の日

66日は飲み水の日です。東京都薬剤師会公衆衛生委員会により1990年に制定されました。世界環境デー(65日)の翌日です。日本では当たり前のように水道水を飲むことができますが、水道水をそのまま飲める国は珍しいです。水道水を飲める国は15カ国と言われています。

【アジア】

・日本

・アラブ首長国連邦

【オセアニア】

・ニュージーランド

・オーストラリア

【ヨーロッパ】

・アイルランド

・アイスランド

・フィンランド

・スウェーデン

・ドイツ

・オーストリア

・スロベニア

・クロアチア

【アフリカ】

・南アフリカ

・モザンビーク

・レソト

上記の国でも、水道水の飲める地域と飲めない地域があり、水道水をそのまま飲むのではなく、煮沸することや、ボトル入りの水の購入を勧めているところもあるようです。渡航の際は、水事情をご確認の上、水を飲むようにしてください。水道普及率=安全に水が飲めるということではありませんので、先進国だから大丈夫、発展途上国だから不衛生ということではありません。安全に飲める水を供給するというのは高度な浄水設備があるか、元々の水質が良いか、など様々な要因があります。北欧の水は水質がよく環境も良いため、「安全に飲める水」以上に「安全で美味しい水」のようです。

広大な国ですべての地域に安全に飲める水を供給するとなると、莫大な費用がかかることもあります。その費用をかけるならボトルの水を買った方が経済的で安全という理由で、飲める水を供給していない国もあるようです。しかし、水は限りある希少資源です。地球の水のうち、人間が利用可能な水資源はわずか0.01%しかありません。この希少資源が汚染されれば当然、利用ができなくなってしまいます。地球温暖化による渇水リスクも高まっています。水の供給が限られている中で世界人口は増え続けています。人口増加と人間の水利用量の間には高い相関関係があり、今後、水の需要はますます増加していくことが予想されます。人類にとって水という希少資源を環境汚染から遠ざける努力と普段から節水を心がけることはますます必要になってくると思われます。

 

農業生産で水は大事な生命線です。水なしでは農畜産物は生産できません。その点で当社は岩手県の恵まれた自然のなかで農畜産物を生産できることに感謝しなければなりません。世界の水利用の用途で飲料水を含む生活用水(トイレ・風呂・洗濯・料理など)は、全体の8%しかなく、その他は70%の農業用水と22%の工業用水が占めており、実は、ほとんどが食糧の生産用途で水が使われています。穀物を栽培するのに必要な水、家畜の飼育に必要な水、さらにその家畜の肥料を育てるのに必要な水など大量の水資源を必要とします。日本の食糧事情は、本来国内で食糧生産していたら必要であったはずの水資源を他国の水で生産された海外食糧の輸入に依存しているのが実態です。したがって、米国や豪州で大渇水が起これば日本は大変な影響を受ける構造になっているのです。生活の豊かさを維持していくためにこれから日本は世界の水不足と向き合っていかなければならないのです。