初午

 初午とは、2月最初の午の日のことで、2020年の初午は29日になります。初午の日の意味については諸説あるようですが、もともと初午の日は農作業が始まる日で、その年の豊作を祈願する日とされていました。2月最初の午の日は、1年の中で最も運気が高まる日に因んでなのでしょうか。その豊作祈願に結びついたのが稲荷信仰です。古来の豊作祈願に稲荷信仰が結びついたきっかけは奈良時代。奈良時代の711年の初午の日に、伏見稲荷大社に稲荷大神が鎮座されたことを契機として、それ以前よりあった豊作祈願と稲荷信仰が結びついたと言われています。そのため、全国の稲荷神社で初午の日には盛大なお祭り「初午大祭」が行われるようになったとも言われています。初午の日は元々豊作祈願を願う日。そして、稲荷大神は商売繁盛、五穀豊穣の神様。

一方、家庭では初午の日は五穀豊穣を願うという意味があるので、農家によっては今でも篤く信仰しているところも多いようです。こうした家庭では初午の日の朝にお赤飯、油揚げ、お神酒をお供えしてその年の豊作を願います。ところで、初午の日にちなんだ有名な食べ物があります。それはいなり寿司(おいなりさん)です。初午の日にお供えするものとして油揚げがあり、それと共通しますが、稲荷大神の神使は狐。その狐の大好物とされるのが油揚げ。そこから油揚げを使ったいなり寿司を初午の日に食べるようになったと言われています。いなり寿司そのものは1年中手に入る食べ物ですが、特に初午の日のいなり寿司には深い意味があるようです。